濡れ髪喧嘩旅
1960 スコープサイズ 98分
KBS京都録画
脚本■八尋不二
撮影■本多省三 照明■古谷賢次
美術■太田誠一 音楽■小川寛興
監督■森一生
勘定方の小役人(川崎敬三)は金山を支配する代官の査察を命じられるが、しくじればクビと宣言され、人生最後の旅とばかりに羽目を外す。悪い女に引っかかってあわやという時に救ってくれたのは金に細かい流れ者(市川雷蔵)だった。目的地が同じと知った二人の珍道中が始まるが、流れ者には生き別れになった妹があった・・・
市川雷蔵が楽しげに流れ者を演じる明朗軽快時代劇。森一生の演出もいつものように鷹揚な作風で、跳ね過ぎず、まったりと小楽しい佳作に仕上がっている。
旅の一座の座長で山田五十鈴が出演しているが、特に見せ場があるわけでもなく、単なる顔見世ということだろうか。
とにかく、雷蔵の洒脱な演技が堪能できるという意味で貴重な映画だろう。雷蔵と川崎敬三の掛け合いを見ているだけで幸せな気分に浸れる。