ウルトラマンメビウスVSゲキレンジャー

 「ウルトラマンメビウス」は遂に最終回を迎えたが、ドラマ的にも特撮の見せ場としても相当に不発の印象で、実際、寂しいかぎりだ。原口智生特技監督に当たったが、1、2話で見せたゴージャスかつ斬新な演出は不在で、正直なところ意図が不明で、不可解な演出に終始した。板野一郎の腕の見せ場も無く、ミニチュアワークもしょぼしょぼで、エンペラ星人というキャラクター自体も円谷プロらしからず、何がしたいのかさっぱり掴めなかった。これならシリーズ中でも安定した力量を発揮した鈴木健二菊地雄一特技監督を任せてほしかった。これでしばらくの間はウルトラシリーズは休息期間に入るようだが、映画版は継続するのだろうか。
 一方で絶好調なのが「ゲキレンジャー」で、久しぶりに戦隊シリーズらしい痛快な活劇となっている。アクガタを操る臨獣殿は現在五毒拳の使い手を繰り出しており、今後も続々と個性的な敵役を投入してくれそうで、期待感も高まる。近年すっかり母親の顔つきになっていた伊藤かずえが、カンフーアクションを軽々とこなす、その違和感のカッコ良さに感動する。ずいぶん久方ぶりに楽しみなシリーズだ。

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