デジャヴ ★★★

DEJA VU
2007 スコープサイズ 127分
ユナイテッドシネマ大津(SC4)


 ニューオリンズでフェリー爆破事件が発生、500人以上の死傷者を出した。ATF捜査官(デンゼル・ワシントン)は、若い女性被害者(ポーラ・パットン)の遺体から、爆破事件とは別に殺されたのではと疑問をいだく。そんな折、過去の特定のエリアを再生することができる監視システムを使用した捜査に協力することになる。ただ、この装置は現在から“4日と6時間前”の映像をリアルタイムで再生することしかできない代物だった・・・

 トニー・スコットの最新作はSF的ギミックを駆使したサスペンス劇で、前作の「ドミノ」のとんがった映像表現に比べると、おとなし目で、正攻法のストーリーテリングを堪能できる良作。しかし、物語の核となるギミックは相当無理して捻った印象だ。

 特に見所は中盤の謎の監視装置の正体がボロボロと明るみに出るあたりの映像表現で、トニー・スコットの本領発揮という感じで、大いに乗せてくれる。ポーラ・パットンの家を監視するうちに感情移入してゆく場面など、トニーの兄リドリーが監督した懐かしい「ブレード・ランナー」を思い出させて、監視装置越しの過去の映像と現実の映像が重なり合うトリッキーな追跡場面など、なかなか傑作な見せ場だ。

 終盤の展開はこのジャンルではありきたりともいえるが、緩急自在の映像テクニックは隙が無い。

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