ナイト・ミュージアム ★★★

NIGHT AT THE MUSEUM
2007 ヴィスタサイズ 108分
TOHOシネマズ二条


 50年ほどまえ、エジプトから謎の石版が搬入されてからというもの、自然史博物館は夜になると、展示物たちが自由に動き出すのだった。夜警に採用されたダメ男の運命は・・・

 明らかに「ジュマンジ」を意識した映画で、いかにもファミリー向けの作風だが、博物館内で発生する軍事紛争を収束したり、アメリカ大統領がネイティブ・アメリカンの気丈な娘に恋したりと、案外メッセージ性の強いファンタジーである。偉人には、生まれつきの偉人と、”なりゆき”の偉人の二種類があるんだと説く教育映画でもある。”なりゆき”という訳が適切かどうか疑問もあるが、誰しもがすべきことを為すべきときに行うことができれば、偉人になれるという程度の意味だろう。バツイチで息子にもバカにされている一介の夜警が一夜づけの知識と機知を駆使して事態を収束させてゆく後半部分がそれなりに見所に仕上げられている。

 カウボーイを演じるオーウェ・ウィルソンの惚けた味わいが楽しいし、夜の間は自在に動き回っていた展示物たちが日が昇るとただの蝋人形に戻ってゆく場面に漂う一抹の物悲しさの演出などに案外筋の良さを見せており、ちょっと「グレムリン2」なども懐かしく思い出させてくれる。

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