二匹の用心棒 ★★★

二匹の用心棒
1968 スコープサイズ 81分
KBS京都録画
原作■長谷川伸 脚本■安藤日出男、杉浦久
撮影■今井ひろし 照明■美間 博
美術■内藤 昭 音楽■小杉太一郎
監督■三隅研次


 長谷川伸の「関の弥太っぺ」の映画化だが、主演の市川雷蔵が急逝したため、急遽弟分の本郷功次郎が主演したという曰くつきの作品だが、股旅物の情感というよりも、本郷功次郎長門勇の軽妙な掛け合いの面白さに主眼を置いた作劇となっている。なにしろ肝心の娘を演じるのが高田美和なので・・・
 もちろん、中村錦之助の「関の弥太っぺ」が先に製作されて定評を得ているので、三隅研次もやりにくかったと思うが、案外おもしろい映画にはなっている。傑作「ひとり狼」で雷蔵とのコンビが成功した長門勇と股旅物を引き続き、という企画意図だったのだろうが、確かに長門勇は驚くほど巧い。事実上ダブル主役なのだ。
 夏場のロケ(近江八幡あたりか?)を多用した撮影も大映時代劇としては異色の印象があり、緑の多い明るく開放的な画作りも特色となっている。

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