ディパーテッド ★★★☆

ディパーテッド [Blu-ray]

ディパーテッド [Blu-ray]

  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray

THE DEPARTED
2006 スコープサイズ 152分
TOHOシネマズ二条(SC4)


 いわずと知れた香港映画の傑作「インファナル・アフェア」のハリウッド・リメイク作。監督は巨匠でありアメリカ映画の知性であるスコセッシ。オリジナル版と比べると、ジャック・ニコルソンを中心として非常に下品な台詞が乱発され、ディカプリオとマット・デイモンという鏡像関係を強調した配役の是非が問われるアクション映画となっている。しかし、アクション映画としての出来栄えとカタルシスでは決してオリジナルに負けてはいない。
 しかし、何しろこの映画が不利なのは、アンディ・ラウの役をマット・デイモンが演じるという悪い冗談が、悪い冗談のまま終わってしまうという点であり、それは致命的な弱点だ。マット・デイモンは決して悪い俳優ではなく、映画によっては誠実な演技を見せてくれる男だが、アンディ・ラウと比較される不幸は如何ともしがたいものであった。
 暴力の巷で育まれたスコセッシの感性が北野武ばりに発揮されて、乾いたアクション映画としてバランスのとれた、ある意味では職人的な演出を見せ、いかにも絵に描いたようなラストカットの皮肉も擬古典な作法として悪くはない。
 役者のなかで儲け役はマーク・ウォルバーグに違いなく、アクション映画ならではの強烈な個性を発散して、脇役ながら場をさらう。その割を食ったのがアレック・ボールドウィンで、今回はいいところが無かった。

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