特にオーディオマニアでもないのだが、たまたまMBSのVOICEでTIMEDOMAIN理論に基づくスピーカーの特集などやっていたもので、ついついどんな不思議な音がするものかと、入門篇のlightを購入してしまった。
色々なCDで試してみたが、確かにこれは独特のスピーカーのようだ。予想通り、低音は出ない。出せないというよりも、はじめからそんなものは存在しないといった風情で割愛されている。そのかわり、高音、中音については、実に繊細に且つシャープにぐいぐいと押し出してくるので、どんな音源にも合うスピーカーではない。
一青窈のCDなど如何かと思ったが、薄っぺらく聞こえてしまう。スムーズ・ジャズも試してみたが、やはり低音部の厚みが皆無なので音が薄く、シャカシャカ感が生じてしまう。その一方で「オペラ座の怪人」のサントラなど、迫力は不足するが、エミー・ロッサムの歌唱が心地よく透き通って意外と合う。しかも落語のCDは、古い音源で志ん生のくぐもった口跡がかなりはっきりと聞き取れる。
で、最後に試したバッハの管弦楽曲が最も綺麗に聞こえ、典雅な雰囲気に包まれて至福感を味わうに至る。デスクトップや寝室で軽く聴くためのスピーカーとしては、価格的には決して安くはないので、一般的にはBOSEのCOMPANION2Ⅱ(これは基本的にパソコン専用のようだが)などのほうが無難かもしれない。
【追記】
スピーカーにはエイジングという考え方があるらしく、確かに、最近は低音部分が当初に比べると鳴っているような気がする。スピーカーが熟れてきたのか、当方の耳が馴れてきたのか、それなりに低音の存在を感知できるようになってきた。ボリュームを少し上げるとjazzのベースがなんとなく聞き取れる。気のせいだろうか??
- 出版社/メーカー: TIMEDOMAIN
- メディア: エレクトロニクス