橋を架けた男

 近江八幡の八幡掘りに中途半端な橋が出現した模様だ。
 近江八幡に遊びにおいで!というブログにその模様が写真入で報告されている。私はこの橋を架けた張本人を知っている。映画「憑神」のキャメラマン(撮影者?)木村大作その人である。先日の第5回京都映画祭のセミナーで、「憑神」の撮影を引き受ける条件(のひとつ!)として東映のプロデューサーに出したのが、近江八幡に橋を架けることだったのだ!
 なるほど、確かに写真で見る限り少々小ぶりな橋が、しかも途中まで造営されているではないか。それが、逆にいかにも映画用の美術装置という風情を醸し出して、わくわく感がある。いったい、いつまで設置されているのだろうか。このところ、琵琶湖の西岸には「大奥」のオープンセット、東岸には「憑神」のセットと、滋賀県東映京都撮影所の庭のようになっておるな。
 近場でもあるので、撮影風景を見学に行ってみたいものだ。お目当てはブッキー、ではなく、現場でいちばん大きな声を出していちばん目立っているに違いない木村大作の働きぶりなのだが。

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