- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: DVD
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ラブ☆コン
2006 ヴィスタサイズ ?分
ユナイテッドシネマ大津(SC1)
原作■中原アヤ 脚本■鈴木おさむ
撮影■? 照明■?
アートディレクション■飯田かずな 音楽■? VFXスーパーバイザー■貞原能文
監督■石川北二
とある関西の高校を舞台に、阪神巨人と異名をとるデカ女(藤澤恵麻)とチビ男(小池徹平)の凸凹コンビが反発しあいながらも互いの恋心に気づいてゆく様を、デジタルビデオカメラ撮影と安手のVFXでポップに描き出した低予算ラブコメ。ちなみに映画の制作は東北新社、VFX制作は「逆境ナイン」も手掛けたオムニバス・ジャパンだ。
誰にも期待されない感じの低予算作品だが、意外にもしっかり笑わせて熱く泣かせる正調娯楽映画の佳作なのだ。正直、映画の始めは寒いギャグと微妙に間延びした演出、藤澤恵麻の浮いたツッコミ芝居等々、頭を抱える要素が満載なのだが、世界観のお約束に慣れれば、中盤からかなりよくなる。デカ女の恋心の高まりを丁寧に描いて、宇宙一の鈍感男に告白する場面など、ギャグも冴えるし、心理描写も立派に成り立っている。なによりも意外なのは、関西芸人風の挙動を無理して演じている様がありありとわかる藤澤恵麻にどんどん感情移入してゆくにつれ、彼女がいとおしくなってゆくことだ。そしてこの映画の生命線はまさにそこにあり、石川北二という監督の演出意図が計算以上にツボにはまっている。
クライマックスは谷原章介とチビ男のバスケットボール対決となり、若干映画のタッチが変わってしまった気がするが、谷原章介の弾け方が潔く、圧倒されてしまう。あんた偉いよ。
監督の意図としては、ラブコンの「コン」はスポコンの「コン」だ!ということらしいが、「海猿」の羽住英一郎といい、スポコン再評価の動きが見られるのは嬉しいことだ。
原作ファンの女子に独占させるには惜しい秀作。騙されたと思って、観にいこう。