ハードコアの夜 ★★★

HARD CORE
1979 ヴィスタサイズ 108分
DVD


 木工会社の社長で熱心なカルビン派の信者の父親(ジョージ・C・スコット)は、行方不明になった娘の行方を探偵に探らせるが、ハードコアの8ミリ映画に出演していることが判明する。LAに向かった父親はポルノ業界に潜入し、偽のオーディションを告知して関係者を炙り出そうとするが・・・
 ポール・シュレーダーによる情念のアクション映画だが、描写はあくまで淡白で、扇情的な主題を扇情的に描くことを避けている。シュマッカーがスナッフフィルムを扱ったサスペンス「8mm」の方が遥かにハードである。ここではポルノ業界の持つどす黒い闇の部分には切り込んでいないからだ。それは暢気で楽しげなポルノ映画の撮影風景を見れば明らかだろう。
 その余裕は主演をジョージ・C・スコットという鋼鉄の意志を持つオヤジに演じさせたことによるものだろうし、彼の支えとなる信仰の存在も大きい。ただ、信仰に対する試練としての地獄めぐりが成功してしたかどうかはかなり疑問だ。
 LAの街には「スター・ウォーズ」(もちろん1作目)の看板が見え、アングラクラブでは女たちがスター・ウォーズの衣装(といっても半裸だが)でアトラクションを披露している。宇宙とアングラの対比が天国と地獄の隠喩となっている。って本気か?