野盗風の中を走る ★★★

野盗風の中を走る
1961 スコープサイズ 111分
BS2録画
原作■真山美保 脚本■井手雅人、稲垣 浩
撮影■山田一夫 照明■小島正七
美術■植田 寛 合成■泉 実 音楽■石井 歓
監督■稲垣 浩


 戦国時代、野盗を生業とする野武士の群れは、貧苦に喘ぐ農村に辿りつく。盗んだ米を振舞ったことから農民に慕われ、築城に駆り出された農民の救出のために一計を案じることに。明智の軍勢に城を攻めさせる間に救出に成功するが・・・
 「独立愚連隊」と「七人の侍」を足して二で割ったような時代劇活劇。いかにも田中友幸の考えそうな企画である。
 野盗を演じる夏木陽介佐藤允、谷晃、中丸忠雄たちはいかにも独立愚連隊そのもので、そこに市川染五郎(先代)と中村吉右衛門が加わる。この当時、東宝は松竹から歌舞伎俳優の映画出演契約を融通してもらっていたらしい。おかげで重要な役で松本幸四郎(先代)まで出演する。また、染五郎にしても吉右衛門にしても、妙に演技が巧く、他の東宝生え抜きの映画俳優たちを食ってしまいそう勢いである。その他、雪村いづみ若林映子が村娘で、贅沢なことこのうえない。
 とにかくオープンセットを含めて舞台装置の大掛かりなことは東宝ならではで、堂々と引いたスケールの大きな画が贅沢に駆使され、ただただボーっと眺めていても贅沢な気分が味わえる。
 首領を演じる夏木陽介は苦しいが、脇役の谷晃が意外な大活躍を見せ、もっとも目立っている。独立愚連隊でキャラクターを確立した佐藤允の豪快な笑いが心地よい。

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