十兵衛暗殺剣 ★★☆

十兵衛暗殺剣
1964 スコープサイズ
BS2録画

原作■紙屋五平 脚本■高田宏治
撮影■わし尾元也 照明■上田耕太郎
美術■吉村晟 音楽■鏑木創
監督■倉田準二


柳生新陰流の正当な継承者を名乗る幕屋大休(大友柳太朗)は湖賊を見方につけて、琵琶湖の竹部島を拠点として、柳生十兵衛近衛十四郎)に挑戦する。
 東映時代劇も全盛期を過ぎ、若手監督が台頭してきた時代に登場した異色時代劇で、後に「赤影」で有名になる倉田準二の監督作。
 両者の戦いの展開にサスペンスが無いのが致命的だが、わし尾元也の重厚で陰影に富んだモノクロ撮影が絶品。この映画のモノクロ撮影は大映京都に迫る画調を見せてくれる。
 琵琶湖の湖賊などという存在に目を付けるあたりが、いかにも東映ならではだし、竹部島のロケ撮影、湖上でのゲリラ戦術などユニークな趣向は多いが、この脚本では捻りが足りないだろう。

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