城取り ★★

城取り
1965 スコープサイズ
BS2録画

原作■司馬遼太郎 脚本■池田一朗舛田利雄
撮影■横山 実 照明■藤林 甲
美術■松山 崇 音楽■黛 敏郎
特殊撮影■金田啓治
監督■舛田利雄


 家康から掃討軍を放たれた上杉は、後顧の憂いとなりかねない伊達との境界に造営中の城を落とすため、志願した2人(石原裕次郎千秋実)を送り込む。道中で出会った忍者崩れ(石立鉄男)や歩き巫女志願の娘(中村玉緒)らを頼りとして、奇策を練るが・・・

 滝沢修まで担ぎ出した前半はいい調子で、千秋実の好演も楽しいのだが、後半はただただ冗長で、脚本の杜撰さと演出の策の無さが露呈して無残な結果となっている。山城の美術セットもただの造成地にしか見えず、スケール感にも乏しい。

 近衛十四郎石原裕次郎の一騎打ちが意味不明に幻想的な映像表現で描かれ失笑を誘う。

 舛田利雄の後年の大味な大作の予兆は既にここにあったのだ。この監督はそもそも大作は苦手な人だったのだ。

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