- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
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女の賭場
1966 スコープサイズ
KBS録画 カット版
賭場でいかさまを暴かれて自殺した胴師の娘(江波杏子)は、それが新興ヤクザ立花(渡辺文雄)の仕組んだ罠だと知り、復讐するために一度は引退した賭場に戻る決心をする・・・
江波杏子の女賭博師シリーズの第1作だが、アクションもお色気も無しの、極めて硬派な女性映画である。絶頂期の小林節雄のキャメラワークが冴え渡り、命を的の賭場のサスペンスがギリギリまで高まる様子を照明と色彩で描ききる。
胴師を演じる大映の専属俳優水原浩一が渋く、敵役をノリノリに演じる渡辺文雄が実にカッコ良い。
特に秀逸なのが田中重雄の重厚な演出ぶりで、クライマックスの運命の対決の決着を江波のアップとオフで聞こえてくる銃声で描ききったあたりの確信の深さは感動的である。併せて池野成の劇伴も傑作で、お馴染みの暗い響きが銃声と共に転調して崇高な曲調へ至るラストの構成は見事としかいいようがなく、まさに名シーンである。
カット版ということもあり、物語の構成自体はかなり単純だが、演出としては驚くべき高みにあり、忘れられた小傑作である。
- 出版社/メーカー: オフィスワイケー 角川映画
- 発売日: 2012/07/31
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