『事件記者 白昼の恐怖』

基本情報

事件記者・白昼の恐怖
1959/CS
(2003/5/31 BS2録画)
原作/島田一男
脚本/西島 大、山口純一郎、若林一郎
撮影/松橋梅夫 照明/熊谷秀夫
美術/大鶴泰弘 音楽/三保敬太郎
監督/山崎徳次郎

感想(旧HPより転載)

 湘南で不良売血業者に多量に血を抜かれた女が死亡する。その現場を目撃したスイバレのお時と呼ばれる娼婦は業者を強請るが、逆に血を抜かれて殺されてしまう。その経緯を知った警視庁は性病感染の疑いの濃厚な不良血液を使用しないよう各病院へ通達を出す。スイバレのお時をたまたま撮影していた事件記者は業者の使用していた車を割り出し、犯人のアパートを突き止めるが・・・
 現代の吸血鬼を描いた事件記者シリーズの第2弾。レギュラーメンバーの絶妙な掛け合いが心地よいリズムを刻んで、大人の職場の雰囲気をリアルに描き出したところがこのシリーズの貴重なところではないかと思われる。
 白昼の熱気溢れる海岸べりのバンガロー(ただの掘っ建て小屋だが)で密かな売血が行われる不気味さがモノクロ撮影ならではの陰影のきいた映像に焼き付けられているあたりも、モノクロ映画好きには堪えられない。
 第1作に続いて手堅い小品だが、今観るとモノクロ撮影による当時の湘南海岸や売血業者の潜む町並みといったロケ撮影が示す当時の日本の風景に対する郷愁という愉しみも加わって、BS2らしいなかなかの好企画だ。残念ながら、これ以降のシリーズは観られなかったのだが、次は東映の警視庁物語シリーズなど一挙放映してほしいものだ。
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