『事件記者』

基本情報

事件記者
1959/CS
(2003/5/28 BS2録画)
原作/島田一男
脚本/西島 大、山口純一郎、若林一郎
撮影/松橋梅夫 照明/熊谷秀夫
美術/大鶴泰弘 音楽/三保敬太郎
監督/山崎徳次郎

感想(旧HPより転載)

 警視庁記者クラブの面々が、新宿駅で発生した暴力団組長発砲事件を追ううち、犯人の狙いが組長の命ではなく、その所持した覚せい剤であることがわかってくる。だが、疑心暗鬼にかられた対抗暴力団との全面戦争が目前に迫りつつあった。
 当時のNHKの人気ドラマの映画化らしいが、記者クラブでのレギュラーメンバーならではの息の合った軽快なやりとりが心地よく、1時間足らずの添え物の小品作品ながら脚本も演出もレベルは高い。
 山本薩夫の映画で怜悧な官僚役を演らせれば日本一の永井智雄がベテランキャップを演じて緩急自在の味のある演技を見せれば、ライバル社の新人役の山田吾一が絶妙のボケ役で場をさらう。滝田裕介が若すぎて違和感があるのだが、若き日の内田良平は単純にカッコいい。
 犯人役が宍戸錠野呂圭介のコンビで野呂が拳銃マニアという正確付けがいかにも日活らしい。
 ドキュメンタリータッチのモノクロ撮影ながら、ちゃんと人物には適切な照明が当たっているという当時の日活技術スタッフの力量の高さが伺えるのも興味深い。
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