『スパイ・ゲーム』

基本情報

スパイ・ゲーム
(SPY GAME)
2001/スコープサイズ
(2001/12/22 京都スカラ座

感想(旧HPより転載)

 CIAを定年退職するその日に情報局員(R・レッドフォード)にもたらされたのは、自分がスカウトして育て上げた優秀な若きスパイ(B・ピット)が中国の刑務所に潜入して逮捕され、24時間後に処刑されるというニュースだった。

 会議室での事情聴取のシーンに主人公と若き兵士がベトナム戦争で知り合い、遠回しにスパイに勧誘して優秀なエージェントに育て上げるが、情報提供者に対する酷薄なベテランエージェントの姿勢に反抗して袂を分かつことになる経緯が回想される形で物語は進行していく。

 お馴染みトニー・スコット監督がヨーロッパ各地でロケした堂々たるスパイ映画の大作だが、B・ピットを起用したことから察しがつくように、最後はいささか甘い展開に落ち着いてゆくのが不満といえば不満。もっとゴリゴリのサスペンスを期待したいところだが、トニー・スコットだからないものねだりということか。「ザ・ファン」なんていう傑作をたまに撮るから無視できないのだが、当劇場では基本的に、やたらと音楽を垂れ流しして、カットを細かく割ってゆく演出家は信用してません。

 正直言って、主人公を若者の現在に至る顛末の部分は当たり前すぎて長々と語る割に退屈なのだが、最後に主人公がひねり出した切り札には工夫の跡が見られ、ベテランスパイの貫禄を称賛しながら終わる辺りは、まるでイーストウッドの映画のようだ。そう、確かにイーストウッド監督、主演だったら渋い傑作に仕上がったことだろ

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