『スコア』

スコア
(THE SCORE)
2001/スコープサイズ
(2001/10/6 京極東宝3)

感想(旧HPより転載)

 モントリオールでジャズクラブを営む男(デ・ニーロ)のもう一つの顔は名うての金庫破りだった。手配師マーロン・ブランド)から税関に保管されたフランス王族が使用した国宝級の笏を盗み出すことを依頼された男は、このヤマを機に足を洗う決心を固める。だが、内通者として紹介された若者(エドワード・ノートン)は若者らしい野心と危険を楽しむ傲慢さを隠し持った食えない奴だった。一抹の不安を抱えながら、前代未聞の金庫破り計画は着々と進んで行くが・・・

 という梗概からもいかにもありきたりの犯罪映画のプロットと知れる物語だが、事実全くその通りで、いちいち我々の予想どおりに展開して見せてくれる紋切り型の映画の進行はサスペンスというよりも、和みをもたらす効果しか持たない。

 ラストの一捻りもあまりにも初歩的なので開いた口が塞がらないといった代物で、それでいながら2時間以上も費やす時間の浪費ぶりはほとんど悪徳といっても過言ではない。

 デ・ニーロが現役引退して悠々自適の生涯を夢見る主人公を演じることで辛うじて成立する作品であり、まあクリント・イーストウッドでもそのまま通用しそうな気もするが、脚本が余りにも凡庸なのでイーストウッドは嫌がるかもしれない。ほとんど、演技の見せ場らしきものは無いのだから、本来デ・ニーロにとっては役不足のはずなのだが、最近こうした古風な犯罪映画に好き好んで出演している彼の本心はどこにあるのだろう?とはいいながら、そうした役者の貫禄だけで見せきる姿勢は役者にとっては一種の勲章でもあるのだろうが。

 結局、一番熱心に仕事をしたのはエドワード・ノートンということになるのだが、知的障害者を装って税関に入り込む小悪党を正確に演じる技術的な安定感はさすが。

 なんだかんだといっても、結構ほのぼのとルーズに愉しい2時間を過ごせる映画ではあるから、悪い気はしないのだ。

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