(REINDEER GAMES)
(2000/7/1 シネマスコープ SY松竹京映)
感想(旧HPより転載)
刑務所で死んだ仲間の名前を語ってその文通相手の美女(シャーリーズ・セロン)に接近したチンケな自動車泥棒(ベン・アフレック)だが、美女の兄を名乗る狂暴なトラッカー(G・シニーズ)が現れてカジノ襲撃のための警備情報を教えるように強要され、真相を訴えるが信用されず、やむなく強盗計画に巻き込まれてしまうはめに・・・
という犯罪映画で、予告編で強調されているようなノンストップアクション映画では全くなく、むしろ由緒正しいアクション映画の正嫡であるところが今の時代には理解されにくいだろう。監督は大ベテラン、J・フランケンハイマーだが、「RONIN」よりもずっと上出来なのだ。しかも、アクションコメディとして見事に成功している点については、さすがに大ベテランの貫禄十分だ。
これでもかというほどに捻りを利かせた脚本もかなり頑張っており、ラストの真犯人登場シーンなどはほとんど小林旭の時代の日活アクション映画そのもので、痛快なほどにバカバカしくて嬉しくなってしまう。さらにアクションコメディにクリスマス映画としてのニュアンスも組み込んで清々しいエンディングを用意した構成にも感心する。
今回のゲイリー・シニーズは役柄が単純すぎてせっかくの持ち味を生かし切れていないのだが、B級アクションでも惜しげなく裸体を曝してくれるシャーリーズ・セロンの気っぷのよさには敬意を表したいし、なんといってもとぼけたキャラクターの面白さが全開したベン・アフレックの活躍には舌を巻く。
シネスコ画面でやたらと奥行きを強調するために前景に人の顔を置いた奇妙な構図に拘るアラン・カッソのキャメラは、しかし決してあざとくはなく、アクション映画の撮影としては一級品だ。
アラン・シルベストリの音楽も何故か絶好調で、物語のスケール的には小品であるにもかかわらず、ボーっと観ているだけで不思議と贅沢な気分になれる佳作。
