『シン・レッド・ライン』

シン・レッド・ライン
(THE THIN RED LINE)

感想(旧HPより転載)

 第二次大戦中の激戦地ガダルカナル島攻略作戦を描いた約3時間に渡る大作だが、監督がテレンス・マリックだから普通の戦争アクション映画にはならない。もっともテレンス・マリックの映画を観るのは初めてなのだが。

 登場人物の断片的なモノローグには戸惑わされるのだが、物語としては案外定石どおりにそれぞれのエピソードが処理されている。

 日本軍のトーチカ攻略作戦のスペクタクルも「プライベート・ライアン」ほどでなないにしろ、ジョン・トールによる虚空を滑走する流麗なキャメラワークが魅力的だ。

 で、そうした過激な戦闘を通して主人公達が生と死を自問するという極めて内省的な戦争映画で、それゆえにテレンス・マリックなのだろうが、思いっきり作り物めいた、しかも相当に安っぽい舛田利雄の「大日本帝国」での笠原和夫の脚本の、これまたあまり映画的とはいいかねる散文的な具体性のほうを選択したい気がするのは、如何ともしがたい。
(99/5/5 シネマスコープ 京都ロキシー

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