マランツの人気ネットワークCDレシーバー、M-CR610の弱点とは?【レビュー/評価】

マランツのCDレシーバーM-CR610を状態のいい中古で買って、もう4年以上使っています。このレシーバーはマランツのヒット商品で、主にネットワーク関係の機能が追加され、今はM-CR612にバージョンアップしています。なんと5代目の機種だそうです。

■デジタルアンプ4台を搭載したコンパクト設計で、4chスピーカー出力設計が最大の特長。フルサイズのアンプには負けるとしても、基本的な性能が高いので、ライトな使用には不足がありません。十分パワフルに鳴っている感じです。マランツ独特の高音のキラキラした音素の鳴らし方は、人によって、少女漫画的に聞こえることもあり、好みが分かれるところですが、このレシーバーはそんな色付けもないようで、癖のない音色ですね。いま接続しているのが中古で激安で買ったVICTORのSX-F1という密閉型のスピーカーなので、トーンコントロールで低音は補強して聞いていますが、ブーミーにならず音楽には丁度いい感じです。(映画にはさすがに不足を感じるけど)

■実際のところリビングでラジオを流しっぱなしにしているので、あまり音質的に追い込んでおらず、バイアンプ接続の実力のほども試していないのは、宝の持ち腐れかもしれませんな。もう少し高いスピーカーをあてがってやりたい気もするところです。

■ただ、弱点もあって、この世代機はWifi接続が非常に不安定なんですね。アクセスポイントとは3メートルくらいしか離れていないのに、肝心なところでブツブツ切れまくるし、すぐにアクセスポイントとの接続を解除してしまう。その都度ネットワーク設定で再接続してやらないといけない。コンセントを抜いて再起動すれば戻ることもあるが、使い勝手が悪く、ストレスになることは確実。

■さらにミュージックサーバ機能にも接続できるので、NASに蓄積した音楽を呼び出せるのは非常に便利だけど、こちらはWifi接続よりも、さらに切れやすく、ほとんど実用に耐えない。ブツブツ切れまくる。非常に便利な機能だけに残念至極。

■このあたりのネットワーク機能の弱点はさすがに後継機では改善されていると信じたいが、いかがなものだろうか。買い換える価値があるのかなあ。


製品情報

M-CR610は旧型ですが、まだ売ってますね。基本、中古になりますが、状態の良い玉も少なくないので、お買い得ですね。その次の機種のM-CR611もあります。機能的にはあまり大きな違いはなさそうですね。

こちらが最新型M-CR612ですね。Amazon Musicは当然として、Amazon Alexa での音声コントロールに対応しているそうです。なんとデジタルアンプを8台搭載!パラレルBTL接続にすると通常接続よりもダンピングファクターが約2倍に向上するそうです。デジタルアンプはダンピングファクターは関係ないという話もありますが、とりあえず力が入っているのは確実ですね。なにしろ8台のアンプをフル稼働で2台のスピーカーを起動するので、音質向上は確実でしょう。ホントにそろそろ買い換えようかなあ。ランキングに参加中です。ポチッと押してください!



YAMAHAの秀麗なプリメインアンプA-S501を買ってみたの巻(その弐)【レビュー/評価】


承前

さてこの記事では、次期(中継ぎ?)メインアンプ候補として中古機を購入したYAMAHA製A-S501に関して、その秘められたポテンシャルが明らかになります。

奥深い謎機能、それはラウドネス機能

YAMAHA製のアンプを使うのは初めてですが、意外に便利だったのは、ラウドネス機能ですね。これはYAMAHA独特の「連続可変式ラウドネスコントロール」という機能で、基本的に、夜間などに小音量で聞きたいときに駆使する機能ですが、連続的にデシベルを落としてゆくので調節の範囲が広く、かなり柔軟に自分の好みの音色が作れます。
YAMAHAのホームページでは以下のように説明されています。

【A-S700】LOUDNESS調節つまみを回すと、音が小さくなる
A-S700でLOUDNESS調節つまみを回すと、音が小さくなる。 イメージとしては音が大きくなると思ったのだが、想像と違う。
【対象品番】A-S700
LOUDNESSは、中音域の音量を落として、低域・高域の音量に近づける機能です。
メインボリュームを上げて、低域・高域の音が適切に聞こえる状態から、 LOUDNESS調整ツマミで中音域を下げ、小さな音でも低域・高域を聞こえやすくします。

しかし、実際の聴感としては、高音と低音を絞って、中音域に音の幅を纏めていくように聞こえるんですね。YAMAHAの説明を勘案すれば、中音を引きながら、高音と低音を残すことで、高音と低音から聴覚上中音域が合成されているとでも考えればいいのでしょうか。
上下左右の音の広がりととがったところをどんどん縮尺して音像を小さくまとめていくイメージです。ある意味ラジオのようなフラットでナローな音質になります。
ボリュームとラウドネス(さらにトーンコントロール)で、無段階に音色を作れるのがすごいところで、こだわると底なし沼です。
でもこれが実に実用的で、夜間もそうですが、勉強や読書の際に気が散らない耳触りの言い音で聞くことができるのです。実際、この機能は多用してます。あえて作った、”贅沢なフラットさ”とでも言いましょうか。ちょっと倒錯的な感じもしますが、そこが楽しい。
ソニーのアンプだとMUTE機能を効かせてボリュームを上げるのと同じようか効果があり、夜間のBGMとして刺激控えめに流すにはピッタリな機能なのです。
ラウドネス機能については以下のブログに詳しいです。参考にさせていただきました。
open.mixi.jp
https://function5.biz/blog/otohako/2019/12/22047.phpfunction5.biz

意外にパワフルな鳴りっぷり

メイン機のソニー製TA-F333ESRと比べてもS501は実にパワフルです。ボリュームの位置は9時を上回ることはほぼありませんからね。
TA-F333ESRは、ボリュームを上げても耳に刺さるキツイ音が出ないという美点があります。中音域に厚みがあり、元気な弾みのある音が鳴ります。なのでなかなか手放せない。
一方、A-S501はボリュームを上げると明らかにうるさくて高音が耳に刺さります。どうも高域の解像度を求めるとこういう傾向になるようですね。なので、積極的にトーンコントロール機能を使っています。小型スピーカーを使うことが多いので、BASSを持ち上げてやると、SONYのTA-F333ESRとほぼ遜色のない音色になりましたよ。低音域の厚みが出るけど、ブーミーにはならない。
ついでに、光デジタル入力は案外悪くなくて、これまであまり良い印象がなかった光デジタル接続を積極的に使うようになりました。

エイジングの効果か?はたまた気温上昇の効果か?

かれこれ3ヶ月くらいA-S501を使い込んでいますが、最近なんとなく低音がこなれて来た感じがします。以前よりもちゃんと低音部分が主張するようになってきた感じがするんですね。
使ってるスピーカーは同じもので、何年も使っているのでいまさらエイジングは進まないわけで、アンプ側になにか変化があったと思われます。耳が慣れてきたせいかもしれませんが。
そもそもアンプのエイジング効果については懐疑的ですが、少なくとも真冬より暖かい時期の方が音質も安定するし、機械的な不具合も減ることは経験しているので、春になって電気が通電しやすくなるのは確かでしょう。自動車のエンジンでも冬場に比べて気候が暖かくなってくると、不快な振動が減って気持ちよく吹け上がるようになるのと似た現象でしょうかね。(ホントか?)

結局、メイン機たりうるのか?

家電品としての物理的なつくりや質感はさておき、価格が安いわりに本格派のオーソドックスなアナログアンプなので、お買い得感は感じられるのですが、あとはユーザーの音色の好みに合うかどうかですね(当たり前だけど)。
寄る年波で、耳に刺さる高音は苦手で、聞くジャンルも古い歌謡曲やPOPSが多いので、昔ながらのどすのきいた押し出しの強い中低音に包まれて癒されたいという傾向があるので、サンスイとかソニーの昭和末期、バブル期の重厚なアナログアンプにどうしても惹かれてゆくわたしです。
一方で、ブーミーなぼんやりした投げっぱなしの低音は大嫌いなので、悩ましいところです。サンスイとかソニーのバブル期の製品はとにかく電源部が異常に強力なので、低音の制動、締まりはいいようなので、意外とブーミーにはならないようですが。
本機も低音部分のスピード感がマランツと似ていて、軽快に駆け抜けるように鳴らすので、ブーミーにならないのは大きなメリットなんですがね。
ただ、ガッツがある鳴りっぷりとは言えないようで、YAMAHAらしい(?)上品なタイプなので、聞く音楽のジャンルには合わないのかもしれない。トーンコントロールでかなり自分好みに補正できるのだが、それでも低音域は案外さらっとしていてガッツまでは感じられない。

結論

たぶん、1年以上は使うでしょう!特に決定的に駄目というポイントはないですからね。でも、ソニーのTA-F555シリーズの状態の状態の良いのが安価で手に入れば、リプレースしてしまうかも。。。(いやその時はTA-F333ESRの方がお払い箱か!)

追伸

と思っていたら、YAMAHAが最新の高級機を投入してきたよ。しかもこれまでの機種からトランスをグレードアップ(?)して、トロイダルトランス搭載ときたからこれは、食指が動く。値段も一気に桁が跳ね上がりますが、まずは視聴してみたいなあ。値段は数倍以上違うわけですが、はたしてA-S501とどの程度音色が違うものなのか!?
しかし、20kg超えは二階の部屋で聞くには重すぎるぞ!
av.watch.impress.co.jp

関連記事



maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

『実録 大西ユカリ・ショウ』

■久しぶりにCDを引っ張り出して聞いていると、やっぱりこれ傑作アルバムですわ。
■当時の「大西ユカリと新世界」のオリジナル楽曲とお馴染みのソウルフルな季節外れの昭和歌謡のカバーで、全編名曲ぞろい。「2001年12月、東京はクロコダイルと京都はウーピーズでのライヴ録音によるもの。」という説明がありますな。随分前のことですなあ。
■なかでも今回感心したのは、2枚目CDの『天使の憂鬱~恋のサバイバル』ですね。「天使の憂鬱」は井上堯之バンドの『傷だらけの天使』で使われた誰もが知るナイーブな名曲ですが、そこに大阪ミナミテイストのおばちゃんの嘆き節が入るというなんやようわからん構成が傑作で、これエンドレスで聴いていたい。笑かしながら、突き抜けた人生の哀しみがある。これぞ浪花テイストの謎の傑作なのだ。でも、この楽曲はCD買わないと聞けないから、ぜひ買って聞いてね!
■公式HPもありますよ!ライブ行きたいなあ!ずっと言ってますが未だに行ったことがない!www.hustle-records.com
■ちなみに、このCDこそはJBLのスピーカーで激しくガンガン鳴らしたいですね!ライブ録音なので、演奏やボーカルのバランスとかは怪しいところが散見されるし、一部音が割れ気味ですが、熱いノリこそ命なので、JBLのスピーカーの最も得意とするところ。ちなみに私はDENONのまったり美音系のCX101で聞いちゃってますが、これも悪くないのよ。

参考

大西ユカリ、デビューアルバム。何度聞いても粒ぞろいの名曲ぞろいなので、買って損はなし。歴史的名盤といっても過言でない。お世辞抜きで。後日、記事にしますね!

オリジナルの「ミッチー音頭」はこちらです!名曲!さすがに青山ミチは知らんかった!生まれる前だ!

www.youtube.com
こちらも豪快な名曲です。「恋のゴーカート」カバーソングだったのか。それも知らなかった。青山ミチ

www.youtube.com
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

YAMAHAの秀麗なプリメインアンプ A-S501を買ってみたの巻(その壱)【レビュー/評価】

ついにメインアンプ更改か!?

久しぶりのオーディオネタですよ。本ブログは特撮趣味、映画趣味の記事がメインですが、最近なぜかオーディオコーナーの来訪者が多いのです。嬉しいことです。(あまり映画見てないからですよ!全然映画館行ってない!)
でもこんな寒い時期には外に出ずに、お家の中でぬくぬくとオーディオ三昧がお薦めですよね!なぜか寒くなってくると、新しいアンプが欲しくなってくる奇病です。

導入の経緯

現在メインで使用中のSONYの30年前のエントリークラスの名機(?)TA-F333ESRですが、ソースダイレクト系統がブツブツ途切れるという状態で、ソースダイレクトのスイッチを切り、しかしトーン機能もオフの状態という、中途半端な経路で聞いてます。
トーン回路は通していないのに、ソースダイレクトより多少メリハリがきいている状態ですが、音質的には却って鮮度が高くて悪くないのです。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

しかし、さすがに全体にへたってきたので、お買い得な新しいアンプを模索していたところ、YAMAHAのアナログアンプが目に入りました。
高級機に移行して安泰な気分に浸るのはもう少し先延ばしして、もう少しの間は、実力あるエントリー機で味の違いを遊びたおしてみたいと思って物色していたのですが、結局YAMAHAのA-S501を中古で買いました。

三兄弟の秘密

このシリーズはA-S301、A-S501、A-S801の三兄弟で構成されていますが、A-S801はUSB DACがついているので少し高くなっています。A-S301とA-S501はシンプルなアナログアンプです。
しかし、この三兄弟機には秘密が隠されていたのです。その証拠がこの写真です。

出典:http://robertohouse.com/archives/9216474.html
robertohouse.com
そうです、この三兄弟機は、中身がほぼ同じだったのです!A-S301とA-S801では、値段が倍以上違うというのに!
まあ、A-S801はUSB DACの分高いので単純な比較にはなりませんが、素人のぱっと見では、ほぼトランスの大きさの違いだけに見えますよね。
もちろん、アンプのかなめはトランスの性質なので、トランスが違えば音質も異なりますから単純には言えませんが、まあUSB DACにも電力を供給するとなると原理的には不利なので、USB DACなしで、トランスの大きいほうが音質的には有利という考えかたで、A-S501を選択しました。
新品で買っても価格的には知れてますが、あまり長く使う気もないので、ちょうど頃合いの中古機が出ていたのを発見して、ポチっと購入してしまいました。

使用感について

使用感の感想ですが、操作感の第一印象は、端的に言って安っぽいです。デノンのエントリー機の方がずっと質感が高いです。
セレクトスイッチの切り替えの感触にしても、ボリュームの素材感や回した時の手ごたえなんかも、完全にプラスティック感満載で、安っぽいものです。
これが三兄弟同時開発のコストカットの影響でしょうか。ツマミはペラペラのプラ製ですからね。明らかに外観にはコストをかけていません。
コストのほとんどが中身に傾注されていると考えるのはYAMAHAに好意的すぎるでしょうか。

基本的な音質はどうなのか?【SC-CX101で聞いてみた】

明らかにハイ上がりですね。低音が出てません。分厚い音が好きな人は嫌うかもしれません。
スピーカーはデノンのSC-CX101なので、アンプによっては(ONKYOとか)、かなり低音が出すぎてブーミーになるほどの濃い目の性質ですが、まったくさらっと、あっさり味で鳴ってます。低音過多には全くならない。しかも、かなり高音域が細かく聞こえる。
ただ、このスピーカーの持ち味の濃い美音体質はかなり薄くなり、女性ボーカルも湿気と粘りが減ってしまう。他のアンプ(ONKYOですけど!)で経験したことがある、びっくりするような低音は出しませんね。これがYAMAHAナチュラサウンドというやつなのでしょう。
SONYのTA-F333ESRと比べてわかったのは、明らかに音の重心が高くて、精細で細かい音が解像されている現代的な”ハイファイ”な感じですが、スピーカーとの相性によっては、高音が耳に刺さるかもしれません。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

基本的な音質はどうなのか?【SX-500Ⅱで聞いてみた】

実際、VICTORのSX-500Ⅱを繋ぐと、スピーカーのツイーターが優秀ではきはきした性格のせいもあり、中高音から高音に関して強すぎるほど明瞭と感じることも。
TA-F333ESRで鳴らした時には、中音域のメリハリと前に出る性格のおかげでボーカルや人の声が非常に聞きやすく明快なのだが、あまりきつさは感じたことがなかった。
アンプによる音の違いは少ないとも言われるが、こうして比較するとやっぱり確かに違うもんですね、と実感した次第。

基本的な音質はどうなのか?【SILVER RX1で聞いてみた】

一方、MONITOR AUDIOのSILVER RX1は意外にも高音の刺さる感じは少なくて、ちゃんと解像しているけど、強すぎないようですね。
解像度高めで、メリハリ多めなキャラクターのスピーカーなので、オーケストラとか映画鑑賞などのスケール感の大きいソースがそもそもピッタリなんですが、このアンプは低音が派手に拡散するけど、実際は重低音を鳴らしていないという感じですね。
全体の音のバランスはちゃんと取れていて、上から下まで不自然さはないけど、そこだけ聞くと沈み込むような低音は出していない。
無理して重低音を出すとスピード感が削がれるから、音の細密さとスピード感優先で、あっさりとした音を鳴らす(=”ナチュラサウンド”?)というこのアンプの性格は、その意味で明快です。
maricozy.hatenablog.jp


この記事続きます!

思いのほか、長くなってしまったので、記事を分けることにしました。記事の(その弐)は近日公開予定です!
このA-S501というエントリークラスのアンプ、実はかなりパワフルなアンプであり、意外なポテンシャルを秘めていたという事実が明らかになります!

maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

プア・オーディオ試聴記録=プリ・メインアンプ DENON PMA-600NE

■伝統のDENONの入門用プリメインアンプのPMA-390シリーズが更改されたんですね。随分息の長いシリーズで、以前にPMA-390SEを使っていたこともあり、安価にも関わらず素性の良いことはよく知っているんだけど、ついに無くなってしまうんですね。寂しい。

■でも、PMA-600NEシリーズに転生すると思えば、まあ平気ですよね。ということで、ヨドバシに行ってみると現物が置いてあったですよ。せっかくなので、他のアンプと切り替えてちょっと聴き比べてみた。CDはノラ・ジョーンズだったので、オーケストラはどう鳴るか知りませんけどね。スピーカーはケンブリッジオーディオのAEROMAX2というやつで、こちらもどんな特性のスピーカーなのか知らないのだ。

■聞いてみると正直PMA-600NEで何の不足も無い感じ。普通に聞いてるとおかしなところは何も無い。これをPMA-SX11に切り替えると、やっと違いが分かる。PMA-600NEの方がボーカルが強く前に出ている。元気でクリアなので聞く音楽によっては良いと思う。ただ伴奏とボーカルが分離して聞こえる感じがある。反対にPMA-SX11はボーカルが伴奏と一体化して馴染んでいる感じ。音が全体にウェットでシックな感じで、伴奏との混じり方が、本来の聞かせたい音像だろうと気付く。全体に音素が上品にきめ細かく聞こえる。だいたいエントリーグレードのアンプは元気いっぱい鳴らす(ただ低音は制動できない)という特徴があると思うが、PMA-600NEもその例外ではないようだ。しかし、PMA-SX11というアンプもあまり聞いたことが無いので、十分に特徴を掴むところまではいってない。

■あと残念なのはPMA-600NEにはスピーカーの切り替え機能がついていないこと。PMA-390シリーズにはあったのだ。DENONでこの機能が欲しければ、PMA-800NEを買う必要がある。しかも、この機種以外はスピーカー切り替え機能は付いていないのだ。まあ、音質的に考えれば邪道な機能ではあるけど、なにしろとても便利な機能なので個人的には是非欲しいところだ。

■なので、DENONのエントリーグレードのプリメインアンプを試しに使ってみようと思うと、PMA-800NEを買うことになりそうだな。なにしろDENONのアンプは機能の割に割安なので、ちょっと試しに買って使ってみようかという気になる。中古でも玉がよく出るし、売る時も値が付きやすいし、試しにちょっと、という購買が可能なのは楽しいことだ。今使っている30年選手の中古アンプを一時的にDENONの最新型に買い替えて、その次にラックスマンあたりを狙って観たいなあと妄想している。

maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

VICTOR SX-F1という素性不明のスピーカーを愛玩する【レビュー/評価】

■VICTORの昔出していた密閉型スピーカーの音色が好きなので探索しているうちに見つけたのが、SX-F1という素性不明のスピーカー。F1シリーズというハイコンポに付属した、つまり特定機器専用に設計されたスピーカーらしい。もちろんVICTORお得意の密閉型。あまり評判も聞かないスピーカーだけど、密閉型だし、昔のVICTORなので悪くはないだろうと中古を購入してみた。お値段が妙に安いのであまり期待はしてませんでしたが。

■到着した現物を見て驚いたのは、スピーカー、本体ともに素材が非常に安っぽいこと。さすがにハイコンポの企画製品とはいえ、これほど質感の低いスピーカーは見たことが無い、というレベルで、もちろん重量も軽い。これでちゃんとまともに鳴るのかと大いに心配になる。さすがに日本製ではなく、台湾製というのも納得。台湾製のスピーカーって聞いたことがないなあ。要はコストダウンが至上命題という感じの製品ですよ。

■ところが、これ鳴らしてみると??・・・・!!となる。音色はしっかりとVICTORらしい密閉型のいいところが生かされていて、人の声の帯域がハキハキしているし、小型ブックシェルフにしては少し大きめのウーハー(16cm)が適度に低音の質を確保している。ブーミーな低音のだぶつきは生理的に嫌いなのでこうした密閉型の特質はありがたいし、ハイ上がりながら音色についてはバランスが良くてほとんど不満がないのだった。暫くメインで鳴らしていて、ほんとに嫌味のない音色なので重宝していた。JAZZだって、ちゃんと聴ける。

■それにしても素材の安っぽさと工作の精度の低さは特筆もので、それでいながらちゃんと良い音を鳴らすという信じがたい謎のスピーカー。スピーカーって、素材とか加工とか、こだわればキリがないけど、案外そこそこで十分なのかもしれませんよ。

■ちなみに、SX-F1Sという改良版が存在して、ハイファイ堂の記事によれば、1994年発売、 6Ω 87dB W209×H348×D259mm 6.5kg というスペックなので、ほぼそれに準じていると思う。能率が低いので、ボリュームはかなり上げないといい音が出ないが、大音量でもうるさくないのが密閉型の美点。

モニターオーディオSilver50を自信をもって推してみる!

f:id:maricozy:20220129180404j:plain
■いやもう、プライベートにいろいろあって、自身の老いを感じ、生命力がガタ落ちしている昨今、気分を変えてオーディオ方面に話題を振ってみたい。

■モニターオーディオって、大型家電店にもそれなりに置いてあって売れているはずなのに、あまり評判を聞かない謎のメーカーって感じですが、世界的に展開する大きな会社で、もちろんのこと、モノは良いですよ。

■もはや一昨年のことですが、難波のビックカメラでモニターオーディオのスピーカーを切り替えて試聴したところ、新製品のSilver50が思いのほか良かったということを忘れないうちに、お伝えしたいと思います。

■もちろんSilver100とか、スケールが大きいし低音が豊富に出て、音場が広いわけですが、もっぱら古いジャズとか歌謡曲とかポップスを聴いているわたしの守備範囲からすると、むしろSilver50の方が音の焦点がギュッと絞られて、音の飛び出し方が勢いを増しているエネルギッシュな感じがあって、非常に良かったのですね。良質なブックシェルフ型スピーカーらしい快活で元気のよい鳴り方、それでいて低音部も引き締まって、個人的には非常に気に入りました。

■リアバスレフですが、セッティングが容易になるよう、背後の壁との距離を5センチまで寄せられるという新設計は素直にありがたいし、試聴した感じでもその効果は如実に感じられました。低音はちゃんと出ているが膨らまないし、ブーミーにならないという美点を実際に確認しました。そこのところ、重要なのでメーカーのHPから引用しておきますよ。

Sonic Design Improvements Speaker by New Silver Series

壁際へのセッティングを可能にするMonitor Audioの新しいチャレンジが始まります。
メーカーがどれだけ良いスピーカーを開発しても、その開発が一般家庭とかけ離れた環境で行われていては、ユーザーが良いサウンドを楽しむことは難しくなります。どのキャビネット構造を採用するかは最初の難問です。密閉型はキャビネット内部で発生する空気の動きを逃がす事ができません。またフロントバスレフ型は、ポートから放たれる気流がスピーカーから出る音自体と同じ方向を向いてしまいます。そしてリアバスレフ型の最大の欠点は壁との距離が低域に影響しやすいことです。どのタイプでも一長一短が存在するのです。リアバスレフ型がバランス良く鳴らせるかはユーザーのセッティングに委ねられていたのです。この弱点の克服にチャレンジしたのが新しいSilver50とSilver200です。

Silver50とSilver200は通常に使ってももちろんNEW Silverらしいサウンドが楽しめますが、加えて壁際5cmまで近づけてセッティングしても高域と低域のバランスが崩れにくい特殊な設計を施しました。その秘密は特別に改良されたHiVeⅡポートと内部ブレーシング構造。そして130mmのNEW RSTドライバーです。従来のSilverより縦横共に20mmスリム化したキャビネットサイズもポイントとなっています。同様のサイズで設計されたセンタースピーカーC150もご用意しました。

もう壁との距離でセッティングを悩むことはありません。生活環境に寄り添うスピーカー、Silver50、Silver200をぜひお試しください。

■ちなみに、Silver200はSilver50の兄貴分のコンパクトなトールボーイ型ですね。これも気になるなあ。

■モニターオーディオにはRadius90という超小型のスピーカーもあって、非常に小気味いい鳴り方をするし、驚きのスケール感を演出する優れモノなので、店頭で試聴して、これで何でもいけるんじゃないの?と感心したものですが、Silver50も新しい逸品の登場だと思いますよ。ボーカルメインで、まったりというよりもエネルギッシュ志向の小型ブックシェルフ好きの方には自信をもってお薦めできる名機じゃないでしょうか。素直に欲しいです!

■こんどはどこかでSilver50とRadius90の聞き比べをしてみたいものですなあ。(Silver50に軍配が上がるだろうと思ってますが!)

モニターオーディオSilver RX1 は快活に涼やかに歌うのだ【レビュー/評価】

久しぶりのオーディオネタですよ。さて、どの程度の読者が読んでくれているのでしょうか。。。

現在、以下の3種類のスピーカを切り替えて使用しています(導入順)。アンプはsonyのta-f333esrを繋いでます。中古で買った、実に30年前のプリメインアンプですが、気温の高い時期は快調に鳴ってますよ。

  • denon sc-cx101 →意外にもかなり味の濃い曲者。でも夜間の映画鑑賞はこれに限る。
  • victor sx-500 Ⅱ →古い歌謡曲やアニソンはこれで完璧!古い映画もね!
  • monitor audio Silver RX1 →現代的な音のレファレンス。オケはこれ一択。

この中で最も新入りなのは、去年中古で買ったmonitor audio silver rx1ですね。モニターオーディオって、なぜかあまり紹介されていないので、少し音の印象を記録しておきましょう。基本的にホームシアターに軸足があるのですが、汎用性が高く、色々と幅広に使いまわしができます。

まず、スケールの大きい鳴り方をします。また、比較的新しい型式なので、細かい音が再生されます。特に高音は精細な鳴り方をします。なので、クラシックとかオーケストラは意外に得意です。広がりとか、音離れが良いので、楽器の多い曲も音が混濁せず安心して聞けます。オーケストラは密閉型スピーカの名機 victor sx-500 Ⅱよりも上手に、それらしく鳴らします。多分、マランツのアンプと組み合わせると高音のキラキラした粒立ちがもっと際立つことでしょう。

もともとホームシアター用でもあるので、映画は得意ですが、かなり大音響で派手に鳴るので、夜間の鑑賞には注意が必要です。迫力があるのは確かですが、ホラー映画やアクション映画の急激な大音響は、野中の一軒家ではないので心臓に悪いです。。。端的にいって派手すぎてうるさいです。

むしろ、古い映画やテレビドラマなどが音声がクリアに聞こえてちょうどいいかもしれません。あまり艶とか温かみはありませんが。というか、そうした派手な音響が飛び出す映画を夜間に観るには、実はdenonのsc-cx101が絶妙にマッチするのですが、それはまた稿を改めて。

とはいうものの、最近クラシックはほとんど聞かず、夜間の映画鑑賞にはsc-cx101(あるいはsx-500 Ⅱ)を使ってしまうので、もっぱら音楽鑑賞用ですね。これといった癖がないのが特徴で、他の2種類が意外にもかなりの個性派なので、現代的なスタンダードなスピーカーとしてそれなりに重宝しています。

amazon prime music なんかで静かなジャズなんかを涼やかに鳴らすと、音が空間に拡散して、ああこれこれ、このゆったりした透明感と清涼感が欲しかったんだよ、とたまに感じますね。この涼しさは、sc-cx101には求め難い特長です。


参考

monitor audio silverシリーズは既に新しい世代に切り替わっていますよ。

※これ、まだ売ってるんだ!驚いた。sc-cx303もあるけど、こちらの方がコンパクトでヨロシイ。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

密閉型スピーカはいいぞ!ビクターの銘機SX500Ⅱを愛でる!

■ビクターのSX500Ⅱという古〜い密閉型スピーカを中古で格安で買って使っているのだが、これは確かになかなかの名機で、いまだにはきはきと綺麗に鳴っている。

■これまでオンキヨーのCR−D1、マランツのM-CR610というデジタルアンプで鳴らしてきたが、デジタルアンプの駆動力は密閉型スピーカによく合うようで、いずれもよく鳴っていた。M-CR610についてはあまり長く組み合わせていないのであれなのだが、CR−D1とは音の高低のバランス具合が違う気はした。CR−D1も駆動力に驚いたが、M−CR610もさすがに評判の良いデジタルアンプを搭載しており、音数が多く、CR−D1に比べてすっきり聞こえるのはマランツなので高音寄りで音素がキラキラしているからだろう。それでも実は低音もすっきり味ながらしっかり出ていることに徐々に気づいた。

■という経緯を経て、今度は改めてソニーのTA−F333ESRに繋いでみたら、これまた音が変わりますね。大きくは変化しないけど、高音もすっきりと透明感があり、精細だし、中低音の充実ぶりがやはり感動的。基本的に美音系のスピーカだが、映画を観るときの引き締まった重低音が筋肉質なのも驚いたが、台詞に芯が入って、発声が生々しいのが、これまた驚き。このクオリティはこれまでのデジタルアンプでは無かった。音素のクオリティが確実にアップしている。これが馬力あるアナログアンプの実力なのか。普通のテレビ番組を見るだけで、音の美しさにうっとりする。高音の素養の良さが引き立って、音素が引き締まり、しっかりと音のピントが合った感じで、それでいながら音が細くならず、むしろ音の響きが筋肉質でブリブリとした弾力がある。その特長は馬力のあるアンプの共通的な特長でもある気がするが、このスピーカの20センチウーファの実力でもあるのだろう。

■どちらかといえば小型スピーカの方が好きなのだが、大型密閉型スピーカの魅力を知ると、なかなか小型では満足できなくなるなあ。20センチウーファなので、大型というよりも中型かもしれないが、30センチウーファはさすがに二階に持って上がるのは危険だから、これが限界かな。でも、今のアンプが壊れたら、もっと馬力のあるアンプを奢る予定なので、この密閉型の名機はまだまだ使い倒せそうだ。
maricozy.hatenablog.jp

参考

思い返せば、これはなかなか質感の高いデジタルアンプでした。デジタルアンプなのにパワフルではなく、非常に大人しい音質ですが、繊細で滑らかなシルキーなアンプでした。既に売却済みですが、もう一度使ってみたい気がするなあ。

ONKYOのデジタルアンプはとにかく元気いっぱいで、結構な暴れ馬。低音の制御に難儀した記憶があります。その点は高級パーツを奢った限定版や第二世代では改善されているのかも。マランツのネットワークCDレシーバーの万能選手。最新型はM-CR612ですね。デジタルアンプ部も強力で、なかなかパワフルに鳴ります。ネットワーク、ラジオ、CDと、とにかく便利で、音も良いという出来過ぎのヒット商品。型落ちを中古で買うのも一興ですね。

ONKYO CR-D1の実力とは【レビュー/評価】


■我が家では未だにオンキヨーのレシーバーアンプCR-D1を重宝して使っているのだが、その実力を先日改めて認識した。昨年、中古でビクターの密閉型スピーカーの名機であるSX-500IIをお安く購入できて、これまた非常に良い音で鳴ってくれるので気に入っているのだが、最近はこれまた中古で割安で入手できたデノンのPMA-390SEで駆動していて、なんとも落ち着いた鳴りっぷりでいいもんだなあとうっとりしていたのだ。

■が、もしやと思ってCR-D1に繋ぎ替えて鳴らしてみたところ、アンプでこんなに音が変わるかと驚くほど音の性格が変化してしまった。PMA-390SEは音場が立体的で広く、いかにもオーディオ入門編というフルサイズオーディオの世界の片鱗を感じさせる筋のよさがある一方で、音数の多い音源では団子状態になって、いまいち抜けがよくない感じがしていた。それがまったり感となって心地よかったりもしたのだが、CR-D1に替えると、音数が増え、音素が引き締まり、なにより音のスピード感が明確にアップした。音像の広がりは減って、そういう意味では平面的な展開になるのがハーフサイズの限界だが、クラシックはあまり聞かず、最近は古い歌謡曲などの歌ものがメインなので、歌唱がグッとせり出して、力感が増して、聞いていて気持ち良い。音素がグッと引き締まり、低音の制動もよく効くようになって、筋肉的な低音になった。それは、明らかに20クルトミューラーコーンのウーファーをがっちり駆動していることを表している。

■ただ、CR-D1の持ち味である元気一杯出せる音を全部主張するというポリシーから、ソースダイレクトモードでは高音が耳についてうるさい面があり、トーンコントロールを積極的に使って、トレブルは少し絞っているし、逆にバスは補強している。CDを再生する場合などではダイレクトモードでバランスがとれているようだが、ラジオやテレビ音声を流している場合は、これくらいの補正で、耳に心地よく、それでいて元気な音の抜け具合と両立するようだ。なにしろSX-500IIは密閉型スピーカーなので低音は控えめなので、少々バスをブーストしても全然ボンつかないし、引き締まった早い低音が楽しめる。これだから大型密閉型スピーカーはやめられない。

これが当時の製品カタログです!リキ入ってますね!

■という経緯でCR-D1のデジタルアンプの真の実力を改めて再発見したわけだが、そういえばこれにはLTD版があったはずで、中古でいいから欲しくなってしまう。既にCR-D2も生産は終了し、その後はネットワーク対応型のレシーバーアンプに進化しているようだが、なぜかアンプ部分はデジタルからアナログに戻っているのが不思議なところ。正直、安価なアナログアンプでは大型ウーファー(といってもうちの場合は20センチだけど)を機敏に駆動するのは難しいと思うのだがなあ。

■一概にデジタルアンプといってもケンウッドのR-K1000などはオンキヨーとは音作りが真逆で、まったりと大人しい上品な味わいとなっているから、デジタルだからこんな音、アナログだからこんな音と単純には決められないのだが、大型ウーファの駆動力にはデジタルアンプのほうが分が良いのではないかと実感した次第だ。CR-D1でSX-500IIがこれだけ鳴るのなら、トロイダルトランスを2つも載せたデジタルアンプの名機とも言われるA-1VLだと一体どんな音がするのかなあ。。。

参考



評判が良かったので改良版も出てました。中古で安く入手できますが、状態が良ければ楽しめますよ。

CR-D1の限定版でした。色んなパーツをグレードアップして、こちらも評判が良かったですね。今では中古で安く入手できますね。今でもちょっと使ってみたい気がする。maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

© 1998-2024 まり☆こうじ