雑記

意外にも図書館にいっぱい置いてある有名本『縞模様のパジャマの少年』

縞模様のパジャマの少年作者:ジョン ボイン岩波書店Amazon■映画はむかし観てますが、原作小説が図書館にはたくさん置いてあり、意外とポピュラーな小説らしいことを知りました。基本的に子供向けの小説なので、サクッと読めます。しかも、内容も書きぶりもサ…

LOTO6が当たったら、わしは文楽やめるんやけど『あやつられ文楽鑑賞』

あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)作者:三浦しをん双葉社Amazon■小説『仏果を得ず』の前に書かれたエッセイが後に文庫化されたもの。三浦しをんの鋭い観察と、妄想的な考察が綾をなして、読み応えがあるし、文楽に関するこういう自由な研究ってないので、貴重で…

近松じいちゃんのいい仕事集!現代語訳で読みやすくて、分かりやすい『近松名作集 21世紀版少年少女古典文学館』

近松名作集 (21世紀版・少年少女古典文学館 第18巻)作者:富岡 多恵子講談社Amazon■少年少女向けの古典現代語訳シリーズですが、文字が大きいし、解説が丁寧なので、誰にとっても読みやすい作りです。近松の浄瑠璃集は富岡多恵子が担当です。江戸時代の貨幣制…

【戯曲レビュー】確かに本格的な終末SFだった!前川知大の『散歩する侵略者』

散歩する侵略者 (角川文庫)作者:前川知大KADOKAWAAmazon■前川知大の『散歩する侵略者』は黒沢清が映画化したので有名になった。というか、それで初めて演劇の存在を知ったのだが。■前川知大の演劇は一時期NHKでよく放映されていたので知っていたし、ちゃんと…

バブルの(不良)紳士たちから一斉回収せよ!『連続ドラマW トッカイ~不良債権特別回収部~』(全12話)をイッキ見!

トッカイ 不良債権特別回収部 (講談社文庫 き 68-3)作者:清武 英利講談社Amazon #1(演出:若松節朗)#2(演出:村谷嘉則) ■以前から観たかった2021年の『トッカイ』がアマプラに入っていたので、一気見します!WOWOW製作による、原作:清武英利の一連の実…

【戯曲レビュー】良いけど、短さ故に限界が…岡本綺堂の『修禅寺物語』『番町皿屋敷』『鳥辺山心中』

名作歌舞伎全集〈第20巻〉新歌舞伎集 (1969年)Amazon修禅寺物語作者:岡本 綺堂Amazon鳥辺山心中作者:岡本 綺堂Amazon番町皿屋敷作者:岡本 綺堂Amazon■岡本綺堂の有名な新歌舞伎の代表作は、どれも1時間弱の短い出し物で、さくっと上演して、さくっと一幕見す…

クドカンの最近のドラマ『不適切にもほどがある!』『季節のない街』を観たけれど…(雑感)

TBS系 金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」オリジナル・サウンドトラックアーティスト:末廣健一郎、MAYUKO、宗形勇輝SMM itaku (music)Amazon■『不適切にもほどがある』はとにかく放送業界にくすぶるコンプライアンス重視(過剰適応)の姿勢が制作現場をい…

【戯曲レビュー】ゾンビなのか?幽霊なのか?いまだに斬新な怪談劇『生きていゐる小平次』

生きてゐる小平次作者:鈴木泉三郎雨書房Amazon生きてゐる小平次〈戯曲 三幕〉 (風々齋文庫)作者:鈴木泉三郎書肆風々齋Amazon■鈴木泉三郎の有名戯曲で、3幕ものの短い怪談劇。だけど、ほとんどゾンビのような幽霊を登場させたのは、かなり斬新ではないか。こ…

安全・安心を求めすぎると人類は退化するよ!とウェルズ先生が親切に教えてくれる『タイムマシン』

タイムマシン (岩波少年文庫 530)作者:H.G. ウェルズ岩波書店Amazon■ウェルズ先生の出世作である『タイムマシン』を初めて読んだ。小説としては短いこともあり、物語性には欠けるけど、文明批評の部分にはさすがに、19世紀のイギリス階級社会を揺さぶる鋭さ…

【戯曲レビュー】まるでウルトラシリーズの最終回だった!でも変身はしない、リリアン・ヘルマンの『ラインの監視』

リリアン・ヘルマン戯曲集作者:リリアン ヘルマン新潮社Amazon■1940年、ワシントン近郊のファレリー家の邸宅に、久しぶりに欧州から娘夫婦が帰ってくる。だが、その夫クルトはレジスタンスの闘士でナチスに手配されていた。その秘密を知ったルーマニアの亡命…

【戯曲レビュー】なんとリリアン・ヘルマンの『小狐たち』に前日譚があった!『森の別の場所』

リリアン・ヘルマン戯曲集作者:リリアン ヘルマン新潮社Amazon■リリアン・ヘルマンの傑作『小狐たち』に、なんと前日譚があった。20年前、まだギデンズ一家の父母が健在だったころ、長兄ベンがいかにして父から財産を簒奪したかという、これまたえげつないお…

年を取りました…NHK朝ドラ『カーネーション』備忘録⑥23~24週

尾野真千子主演 連続テレビ小説 カーネーション 完全版 DVD-BOX3 全5枚【Nhkスクエア限定商品】尾野真千子、二宮星、小林薫、麻生祐未、十朱幸代 ほかAmazon #23週「まどわせないで」(演出:安達もじり) 132回 まどわせないで夏木マリAmazon■昭和60年、…

【戯曲レビュー】虚言癖少女が二人の楽園を破壊する!リリアン・ヘルマンの有名傑作『子供の時間』

リリアン・ヘルマン戯曲集作者:リリアン ヘルマン新潮社Amazon■図書館にリリアン・ヘルマンの戯曲集があったので、読んでみました。リリアン・ヘルマンて、ほとんど忘れられた作家のような気がしますが、戦う女性作家の元祖という気がします。自伝も有名です…

安岡のおばちゃん、遂に死す!『カーネーション』備忘録⑤21-22週

第21週「鮮やかな態度」(演出:盆子原誠) 117回 鮮やかな態度尾野真千子Amazon■昭和41年、北村は心斎橋の良い物件を買わないかと糸子に持ちかけるが、糸子は乗り気でない。一方、長女に洋装店を渡そうと思っていたのに、心斎橋で店を出すと言い出し、思…

【戯曲レビュー】結構本格的な心理ホラー戯曲だった、河合穂高の『黄色の森』

■歯学博士でもある河合穂高の代表作で、第8回せんだい短編戯曲賞大賞受賞作です。■繁華街で発生した爆弾テロとその後に発生した群衆雪崩の大惨事を背景として、そこに間接的、直接的に関わった女たちが、ある夜真っ暗闇の森の中で、その秘められた体験を吐露…

【戯曲レビュー】今から、ママはわたしの敵よ!リリアン・ヘルマンの傑作『小狐たち』

リリアン・ヘルマン戯曲集作者:リリアン ヘルマン新潮社Amazon■ワイラーの『偽りの花園』の原作となった有名戯曲で、基本的なお話は変わらないけど、アレクサンドラの恋人の新聞記者は出てこない。映画は、ちゃんとウキウキする場面を追加しているけど、戯曲…

【戯曲レビュー】浜辺の民宿を舞台に展開する壮大な海洋SF『海繭の仔』

■以下の戯曲アーカイブを探っていて発見した戯曲です。岡山大学の歯科博士の河合穂高の作で、第6回せんだい短編戯曲賞最終候補になった作品。でも、中身は立派なSFなので、本来ならSF短編小説として書くのが普通だと思うところ、あえて戯曲にしたところが捻…

安岡のおばちゃん復活!そして娘たちが自立してゆく『カーネーション』備忘録④15-20週

#15週「愛する力」(演出:田中健二) 81回 愛する力尾野真千子Amazon■パンパンに成り果てた奈津を救えるのは、彼女が唯一こころを開く、安岡のおばちゃんだけや!(「ゴジラを倒せるのは、キングシーサーだけじゃ!」の今福正雄のイントネーションで!)…

趣味の良いホラー・アンソロジー『南から来た男 ホラー短編集2』

南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)岩波書店Amazon■岩波少年文庫のシリーズ前作『八月の暑さのなかで』が秀逸だったので、第二弾も買いましたが、そのまま積読になっていたものです。実は少し前に読んでいたのですが、ほとんど記憶に残っていなかっ…

赤川次郎のホラーはなかなか侮れない『怪奇博物館』

怪奇博物館 (角川ホラー文庫)作者:赤川 次郎KADOKAWAAmazon■赤川次郎はときどき純粋な怪奇小説を書いていて、実はいくつか傑作があります。本書は半分が怪奇ミステリーで、半分が純粋怪奇小説です。怪奇ミステリーの方は正直噴飯ものだったりしますが、怪奇…

【戯曲レビュー】日本学術会議任命拒否事件を描く、永井愛の『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った 』

ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…作者:永井愛而立書房Amazon■安倍政権を路線を継承した菅政権下で起こった日本学術会議任命拒否事件をモチーフにした、ザ・空気シリーズ最終作。コロナ禍の2021年に初演されたもので、コロナ禍の渦中の雰囲気もそのまま盛り…

戯曲レビュー:三好十郎の初戯曲『首を切るのは誰だ』

■「戯曲デジタルアーカイブ」というサイトが存在することを、先日はじめて知りました。戯曲って、図書館で借りないと読めないイメージだったのですが、かなりの名作戯曲が、ここで手軽に読めます。しかも、かなり珍しいものも収録されているようです。 playt…

【戯曲レビュー】あの政権下での電波停止発言に義憤炸裂!永井愛の社会派ホラー『ザ・空気』

ザ・空気作者:永井 愛而立書房Amazon■NHKの大河ドラマ『光る君へ』て面白いですね。あれは大河なのに大石静の生きの良い作風が生きていると感じますが、もともと大石静は演劇出身で、二兎社に所属していました。というか、永井愛と一緒に立ち上げたのです。…

【戯曲レビュー】総理会見のカンペを書いた記者は誰だ?永井愛の『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』

ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ作者:永井 愛而立書房Amazon■2018年に初演されたザ・空気三部作の2作目。2000年の「指南書事件」、2016年の「国会記者会館屋上使用裁判」のふたつの事件をモチーフとして、政権の醸し出す空気に忖度する記者クラブの問題を…

映画批評はこころのダイアリーだ!寺脇研の『昭和アイドル映画の時代』

昭和アイドル映画の時代 (光文社知恵の森文庫)作者:寺脇 研光文社Amazon■寺脇研といえば、学生の頃からずっとキネ旬の邦画評論を続けながら、文科省のお役人でもあったという奇特な人で、しかも定年退職後には退職金(の一部)を突っ込んで映画製作にも乗り…

笠智衆VS宇野重吉!山田太一の傑作(?)ドラマ『ながらえば』

ながらえばAmazon山田太一原作 笠智衆主演 『ながらえば』【NHKスクエア限定商品】NHKエンタープライズAmazon■山田太一の代表作で、笠智衆と宇野重吉の共演という豪華な配役だけど、実はかなり単純なお話で、役者が脚本に描いてあることを超えて、自然といぶ…

戯曲レビュー:ほほう、こんなのもありか。上田誠の『曲がれ!スプーン』

曲がれ!スプーン (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)作者:上田 誠早川書房Amazon■実は舞台も映画版も観ていないので、純粋に戯曲として読みました。本当は橋本治の文楽の本を探していたのですが、たまたま図書館で発見したのです。「ハヤカワSFシリーズJコ…

こんなところに福島正実の「マタンゴ」が!『SFショートストーリー傑作セレクション 怪獣篇 群猫/マタンゴ』

怪獣篇 群猫/マタンゴ (SFショートストーリー傑作セレクション 第二期)汐文社Amazon■『群猫』『仕事ください』『弱点』『マタンゴ』『黴』の5本立ての短編集。こんなアンソロジーが出ていたとは知らなかった。■『群猫』は筒井康隆の短編で、地下の暗黒世界で…

ツレの勘助から「こころ」をとったのは誰や?『カーネーション』備忘録②:第7週から第10週

尾野真千子主演 連続テレビ小説 カーネーション 完全版 DVD-BOX1 全4枚【NHKスクエア限定商品】尾野真千子、二宮星、小林薫、麻生祐未、十朱幸代 ほかAmazon 第7週「移りゆく日々」(演出:安達もじり) 40回 移りゆく日々尾野真千子Amazon昭和9年、父から…

むしろドラマ版のほうが良いよ!小説『ミッドナイト・ジャーナル』

ミッドナイト・ジャーナル (講談社文庫)作者:本城雅人講談社Amazon■永らく積読状態だった小説。ドラマ版を観て買ったのだけど、とにかく読むのに時間がかかったな。正直なところ、ドラマ版の方がお話のアウトラインがスッキリ整理されていてわかりやすいし、…

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